犬の汗
犬にはアポクリン腺とエクリン腺の2つの汗腺がありアポクリン腺が全身に分布しエクリン腺は足の裏などにわずかに見うけられます。汗腺を持っているのは哺乳類だけで鳥や爬虫類には汗腺はありません。肛門腺は固体認識や性的アピールがあります

アポクリン腺 エクリン腺(アポクリン腺が進化した)
部位 全身に分布皮膚に直接出口がない毛穴から出る 足の裏などわずか出口はエクリン汗腺から
目的 性的アピール、自立神経に支配される 体温調整pH調整 皮膚の乾燥防止、副交感神経
汗の特徴 乳色 無菌状態 ,わずかに匂う
常駐菌に分解され犬臭となる
透明,無臭
成分は尿に似ている
pH  弱酸性 弱酸性
汗の成分 水99,5%ナトリウム0,65%
尿素0,08%、乳酸0,03% タンパク質
マカルシュウム、マグネシゥム 酪酸
塩素。ナトリュウム、カリウム、カルシュウム
尿素、アンモニア、乳酸、重炭酸など300種類
尿検査で病気が分かる。
     
犬は鼻で考える
臭気はコリネバクテリュウム属菌が汗や脂質を分解し、アンモニア、インドールになり犬臭化します。
♂、♀で汗、脂質とも分泌量が違うと言われています。酪酸は分解されると腐敗臭に近い匂いとな
り、100万倍に薄めても犬は匂いを嗅ぐ事が出来ると言われています。犬の場合エクリン汗腺は足
の裏にわずかに見られるだけで、発汗による体温調節が出来ません。散歩の後など足の裏が濡れ
ていることがありますが、エクリン腺から出る汗です。犬のアポクリン腺は、体全体に分布します。
犬は鼻の動物、鳥は目の動物といわれ、犬の場合、目は近視で色盲と言われています(緑と灰色は
見える)鼻の動物である犬は異性や固体認識、食べ物に至るまで鼻で考えるのです。

アポクリン汗腺の不思議
人間は経験から得た文化の発達よりアポクリン腺が退化させたのではあるまいか?「人間はアポク
リン汗腺を退化させる必要があった」視覚や色で判別が出来ようになった人間は、食べ物や異性を
匂いで判別しなくてもいいことになります。人間のアポクリン汗腺は腋や乳頭、陰部などに残っており、
性的臭腺とも呼ばれています。目のまだ見えない赤ちゃんは擬似乳首と本物の母親の乳首を匂い
で判断出来ることが報告されています。犬の視覚は100m先の飼い主が分からないといいます。停
電の際などは犬が階段からコケたとの報告があり、犬にアポクリン汗腺が多いのは固体識別の為の
犬臭、(自己臭)により異性や食べ物などを判断する為なのです。「人間はアポクリン腺を退化させた」
犬の嗅覚のすばらしさは警察犬やワーキングドッグで知られています。犬は鼻の世界の代表です。
本能を飼い主側が勝手に壊さない配慮も必要であると考えます。

犬の汗と皮膚病
犬の皮膚や被毛は弱酸性です。夏場の引き運動の後などpH9迄アルカリ化することがあります。
アルカリ化すると雑菌の増殖が増え、皮膚病になりやすくなると言えます。夏場に皮膚病が多いのも
うなずけますし、弱酸性は雑菌の増殖を防ぐことが出来ると言えます。アポクリン汗はわずかに臭い
ますが常駐菌、温度、湿度、時間の経過で犬臭化します。 

資料提供はゲルミノのご好意です